防衛大臣臨時記者會見

日時
令和2年6月19日(金)17:26~17:44
場所
山口県庁共用第2會議室
備考
河野防衛大臣山口県庁訪問(知事等との會談後臨時會見)

1 発表事項

 政府として、2017年、北朝鮮の弾道ミサイルが我が國の上空を飛び越えていく、そういう事態に際しまして、日本の國民の皆様の平和な暮らしを守るためにイージス?アショアの導入を決定をいたしました。その後、イージス?アショアの性能の解析を行いながら、日本の國を最も効果的に守るために、山口県と秋田県にイージス?アショアを配備するのが、最も効果的であると、そういう判斷をいたしました。そして、山口県內、むつみの演習場に配備をさせていただくということで、知事を始め、地元の皆様にも様々御説明をしてきたところでございます。その際、安全にかかわる點として、この一段目のブースターをむつみの演習場內に確実に落下させる、そういう御説明をしてまいりました。當時の判斷として、ソフトウェアの改修によって、ブースターをむつみ演習場內に確実に落下することができる、そういう判斷をしていたところでございますが、今般、確実にむつみ演習場內に安全に落下させるためには、ソフトウェアの改修に加えて、ハードウェアの改修も必要になる、そういう判斷をせざるを得ないということになりました。このハードウェアの改修のためには、おそらく2,000億近いコスト、そして10年近い時間がかかるということで、これは中々合理的とは言えないと判斷をせざるを得ないということになりました。地元の皆様にむつみの演習場內にブースターを確実に安全に落下させます、という御説明をしてきたわけでございますから、そのためのハードウェアの改修をしないという判斷になりますと、この配備のプロセスを止めなければなりません。知事、議長を始め、萩市あるいは地元の大勢の皆様に様々御盡力をいただいておりました。特に、萩市は有識者會議でそろそろとりまとめというところまで御盡力をいただいてきたわけでございますが、こういう判斷をした以上、1日も早く山口県に御説明を申し上げ、お詫びをしなければならないと考えて、今日、知事、議長を始め、市長あるいは町長にお集まりをいただいて御説明とお詫びをすることになった次第でございます。弾道ミサイルの脅威については、何ら変わりはないわけでございますから、防衛省として、まずこの配備のプロセスの停止を、國家安全保障會議に今般の判斷を報告し、そこで今後について議論をしていただく、そういうことになります。その國家安全保障會議の結論を、また山口県知事に御説明をしなければいけないというふうに思っておりますが、今回は、とりあえず、これまで御盡力いただいていたことに関するお禮と、今般このような判斷をすることに至ったお詫びに參った次第でございます。山口県の皆様、地元の皆様には、本當に色々と御盡力をいただいたことに改めて感謝を申し上げるとともに、今般、こういった事態になったことを、深くお詫び申し上げたいと思います。

2 質疑応答

Q:今回の會談で、イージス?アショアの配備計畫が停止に至った経緯について、山口県側の理解を得られることはできましたか。また、防衛省として、今後、地元住民への説明責任をどのように果たして、どのように理解を求めていくお考えでしょうか、お聞かせください。

A:ブースターの落下を安全に、確実にするためのソフトウェアがきちんと整ってから、配備のプロセスをなぜ進めなかったのかという疑問はあると思います。ただ、振り返ってみると、あの2017年8月、9月、北朝鮮の弾道ミサイルが日本の上空を飛び越えていくという中で、やはり、このミサイル防衛をしっかり整備するというのは、急務であったと思います。そういう意味で、當時、様々議論があった中で、ソフトウェアの改修でブースターを演習場內に確実に落下させることができるという判斷をしましたので、ソフトウェアの改修と配備のプロセスを同時並行に進めてきた、そういうことでございます。ソフトウェアの改修をまず行ってから配備のプロセスということになりますと、更に時間が長くかかる、當時、そういう判斷があったわけでございます。ソフトウェアの改修だけで確実な落下ができない、という今般の判斷に至りましたので、そこについては、防衛大臣として、本當にお詫びを申し上げるしかないというふうに思っております。私としましては、なるべく速やかに、國家安全保障會議に報告をし、そこで議論をしていただいて、結論を得たいというふうに思っております。國家安全保障會議の結論が出るに至った場合には、速やかにまた山口県に御報告を申し上げたいと思っております。

Q:プロセスの停止表明を受けて、地元からは白紙撤回の明言を求める聲が高まっております。まず、地元の反応への受け止めとですね、NSCでの理論上の決定に白紙撤回というのは選択肢に入るのか、お考えをお聞かせください。

A:このイージス?アショアの配備の決定は、國家安全保障會議並びに閣議にて決定されたものでございますので、防衛省としては、まずこの配備のプロセスを停止すると、そういうことにさせていただきました。この後、申し上げましたように、國家安全保障會議になるべく早く報告をし、そこでしっかり議論をしていただきたいというふうに思っているところでございます。

Q:大臣先程ですね、速やかに結論を得たいとおっしゃっていたと思うのですけれども、速やかにというのは今月中なのか、來月なのか、どういったスケジュール感であるか、もう少し具體的に教えていただけますでしょうか。

A:國家安全保障會議の議長は総理ですから、スケジュール的には総理の御判斷になろうかと思いますが、地元に対して多大なる御迷惑をおかけしておりますので、防衛省としてはなるべく早く國家安全保障會議の開催をお願いをしたいというふうに思っております。

Q:特に、今月中であるとかそういったものは。

A:日程については、申し上げられることはございません。

Q:今回のブースターを演習場內に落とせないということは分かっていたのは、いつ頃、どのような経過で分かってきましたでしょうか。それと、それに対して、アメリカ側からは、致し方ないというふうにおっしゃっているのか、それとも、別の手立てを考えなければならないと言っているのか、米側はどのように言っているのかを教えてください。それと、今回のプロセス停止の理由は、この理由1點なのか、他にもおありなのか、その辺りをお聞かせください。

A:ハードウェアの改修が必要だということが、確実にそうせざるを得ないというのが判明したのが、5月の下旬でございます。日米でこのイージス?アショアについては、絶え間ない協議をしている中で、そうしたことが判明をいたしました。今回の決定は、地元の皆様にこのブースターを演習場內に確実に落下させる、安全、確実に落下させるということを、御説明を申し上げてまいりました。そのために、ソフトウェアの改修のみならず、ハードウェアの改修をせざるを得ない、そのためにそれだけのコストと時間がかかるということが判明をし、その改修を行うということは合理的でないという判斷をいたしましたので、今回配備のプロセスを停止をいたしました。

Q:地元にはですね、イージス反対の聲があるとともに、賛成の聲もありまして、今回の停止ということに複雑な意見が出ているのですが、既にイージス?アショアという裝備品はですね、世界的にルーマニアですとか、ポーランドでも使用されて、ハワイには実験施設があって、実績もある。ですから、そんなに不確かな裝備品ではないと思うのですが。そういった中で、むつみにブースターが確実に落とせないという、今回停止理由なのですが、エリアの問題だと思うのですが、むつみ以外の場所で、もっと広い場所でですね、イージス?アショアの設置場所を、防衛省としてはお考えになるおつもりはあるのか。それともイージスというシステム自身が、もう日本のですね、防衛には必要ないと考えられているのか、防衛省としての考えをお聞かせください。

A:萩市の地元の皆様には色々と御盡力をいただいておりまして、有識者會議、本當にお忙しい中、様々な議論をしていただいたことには感謝をしたいと思います。北朝鮮の弾道ミサイルの脅威ということに何ら変わりはございませんので、日本を弾道ミサイルからどう守っていくのかという議論は、これはしっかりやっていかなければいけないものだというふうに思っております。ただ、このむつみ演習場の地元の皆様にこれまで御説明をしてきたことと、今回こういう判斷に至ったわけでございますから、まずこのプロセスを停止する。そして今後は、國家安全保障會議でしっかり議論してまいりたいと思います。

Q:昨日総理が會見で、新しい抑止力についてNSCで議論していきたいと発言されているのですけれども、仮に、今後NSCで今のアショアの停止を決めた後、代替策というものがあるとすればどういったものが望ましいか。また、その停止の議論とともに並行して進めていくのか、そこをお聞かせください。

A:防衛大臣としては、まずこの山口県、そして秋田県、しっかり今回の決定について御説明を申し上げ、お詫びを申し上げなければならないというふうに思っております。防衛省としては、まずこの配備のプロセスの停止ということを國家安全保障會議にきちんと報告をし、結論を得る。その後、しっかり議論をしていきたいというふうに、今の時點で思っております。

Q:その新しい抑止力のものがですね、その辺り、防衛大臣として懲罰的抑止力というものが含まれるかどうか、そこも議論するかどうかも含めて教えてください。

A:まず、現時點で防衛大臣として、しっかりとこの配備のプロセスについて、結論を得るのが先だと思っております。

Q:この計畫自體がですね、標高數値の誤りであったり、様々、最初の計畫自體にミスがあるという紆余曲折があります。そして、今回こういった結果になっておるわけですけれども、そもそもですね、計畫に疑義があった、あるいは計畫書そのものがずさんであったのではないかというような聲がありますけれども、そういったことに対しての見解はいかがでしょうか。

A:2017年の夏を想い返していただければ、北朝鮮の弾道ミサイルが毎週のように発射され、日本の上空を飛び越えていく中で、この弾道ミサイルの脅威から、いかにして國民の皆様の命と平和な暮らしを守っていくか、そういう議論の中で、このイージス?アショアの配備が必要だ、そういう判斷が行われました。その判斷は決して間違っていなかったと思っております。

Q:先ほどの面會の中で、組長さんから、この問題で地域の分斷を招いた面があった、と御発言がありました。むつみの演習場周辺は、かなり過疎地で、人口も少ない、そうした付き合いの密な、そうした地域なんですけれども、そういったところにそうした問題で分斷を巻き起こしたことについて、大臣、住民の皆様にどう思われますでしょうか。

A:今回、地元の皆様に様々御迷惑をかけたことについては、心よりお詫びを申し上げなければならないと思っております。ただ、この弾道ミサイルの脅威から國を守ることが防衛省の役割でございますので、今後ともどのようにして日本の國を守っていくか、しっかり我々として議論していく責任がある、そこに変わりはございません。

Q:今回の件で、地元の方から、防衛省は噓つきだという聲が聞こえたのですが、かなり防衛省の信頼が揺らいでいると思うのですが、その辺についてはどうですか。

A:當初、ソフトウェアの改修で対応できると考えておりましたが、こういう事態になったことについては、お詫びの言葉しかございません。

Q:先ほど面談のときに、知事が求めておられたのですが、地元へのこれからの説明ですね、今のところ、防衛省としてどのようにお考えなのでしょうか。

A:國家安全保障會議の結論を得た上で、しっかり考えていきたいと思います。

Q:その結論が出た後に、地元に説明に伺うということでよろしいでしょうか。

A:こういう配備のプロセスの停止という判斷もございますので、どのようにするか、これから地元とも相談しながら考えていきたいと思います。

Q:地元の首長の皆様もですね、地元への丁寧な説明をしてほしいとお求めになっておられたのですが、河野大臣自らがですね、萩市、阿武町に足を運んでその謝罪のお詫びをされるというお考えというのは現時點でおありでしょうか。

A:今後、どのようにするか地元としっかり相談していきたいと思っております。

Q:今後も防衛上、急を要する裝備ということはあろうかと思いますけれども、今回のことから得た教訓と言いますか、今後もやっぱりこういうことはあり得るのか、あるいは國民に向けて何かより丁寧に対応するであるとか、裝備への転用について厳しくするであるとか、どういうふうに対応されていくのでしょうか。

A:弾道ミサイルの問題など、かなり切迫した脅威に対して、どのように國を守るかということは、これまで我々も真剣に考えてまいりましたし、今後ともそうしたことに対応していかなければならないと思っております。やはり、我々としては、この日本を取り巻く安全保障環境が非常に厳しくなっているということを國民の皆様としっかり共有する、それが大事だと思っております。

Q:ブースターの問題が計畫停止の唯一の、オンリーワンの理由なのか、たくさんある中の代表的な理由なのか、そこはいかがでしょうか。

A:先ほど申し上げたとおりです。 

以上

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