日本國とアメリカ合衆國との間の相互協力及び安全保障條約第六條に基づく施設及び區域並びに日本國における合衆國軍隊の地位に関する協定

昭和三十五年六月二十三日
條約第七號

第一條

この協定において、

(a) 「合衆國軍隊の構成員」とは、日本國の領域にある間におけるアメリカ合衆國の陸軍、海軍又は空軍に屬する人員で現に服役中のものをいう。

(b) 「軍屬」とは、合衆國の國籍を有する文民で日本國にある合衆國軍隊に雇用され、これに勤務し、又はこれに隨伴するもの(通常日本國に居住する者及び第十四條1に掲げる者を除く。)をいう。この協定のみの適用上、合衆國及び日本國の二重國籍者で合衆國が日本國に入れたものは、合衆國國民とみなす。

(c) 「家族」とは、次のものをいう。

  • (1) 配偶者及び二十一才未満の子
  • (2) 父、母及び二十一才以上の子で、その生計費の半額以上を合衆國軍隊の構成員又は軍屬に依存するもの

第二條

1 (a) 合衆國は、相互協力及び安全保障條約第六條の規定に基づき、日本國內の施設及び區域の使用を許される。個個の施設及び區域に関する協定は、第二十五條に定める合同委員會を通じて両政府が締結しなければならない。「施設及び區域」には、當該施設及び區域の運営に必要な現存の設備、備品及び定著物を含む。

  (b) 合衆國が日本國とアメリカ合衆國との間の安全保障條約第三條に基く行政協定の終了の時に使用している施設及び區域は、両政府が(a)の規定に従って合意した施設及び區域とみなす。

2 日本國政府及び合衆國政府は、いずれか一方の要請があるときは、前記の取極を再検討しなければならず、また、前記の施設及び區域を日本國に返還すべきこと又は新たに施設及び區域を提供することを合意することができる。

3 合衆國軍隊が使用する施設及び區域は、この協定の目的のため必要でなくなったときは、いつでも、日本國に返還しなければならない。合衆國は、施設及び區域の必要性を前記の返還を目的としてたえず検討することに同意する。

4 (a) 合衆國軍隊が施設及び區域を一時的に使用していないときは、日本國政府は、臨時にそのような施設及び區域をみずから使用し、又は日本國民に使用させることができる。ただし、この使用が、合衆國軍隊による當該施設及び區域の正規の使用の目的にとって有害でないことが合同委員會を通じて両政府間に合意された場合に限る。

  (b) 合衆國軍隊が一定の期間を限って使用すべき施設及び區域に関しては、合同委員會は、當該施設及び區域に関する協定中に、適用があるこの協定の規定の範囲を明記しなければならない。

第三條

1 合衆國は、施設及び區域內において、それらの設定、運営、警護及び管理のための必要なすべての措置を執ることができる。日本國政府は、施設及び區域の支持、警護及び管理のための合衆國軍隊の施設及び區域への出入の便を図るため、合衆國軍隊の要請があったときは、合同委員會を通ずる両政府間の協議の上で、それらの施設及び區域に隣接し又はそれらの近傍の土地、領水及び空間において、関係法令の範囲內で必要な措置を執るものとする。合衆國も、また、合同委員會を通ずる両政府間の協議の上で前記の目的のため必要な措置を執ることができる。

2 合衆國は、1に定める措置を、日本國の領域への、領域からの又は領域內の航海、航空、通信又は陸上交通を不必要に妨げるような方法によっては執らないことに同意する。合衆國が使用する電波放射の裝置が用いる周波數、電力及びこれらに類する事項に関するすべての問題は、両政府の當局間の取極により解決しなければならない。日本國政府は、合衆國軍隊が必要とする電気通信用電子裝置に対する妨害を防止し又は除去するためのすべての合理的な措置を関係法令の範囲內で執るものとする。

3 合衆國軍隊が使用している施設及び區域における作業は、公共の安全に妥當な考慮を払って行なわなければならない。

第四條

1 合衆國は、この協定の終了の際又はその前に日本國に施設及び區域を返還するに當たって、當該施設及び區域をそれらが合衆國軍隊に提供された時の狀態に回復し、又はその回復の代りに日本國に補償する義務を負わない。

2 日本國は、この協定の終了の際又はその前における施設及び區域の返還の際、當該施設及び區域に加えられている改良又はそこに殘される建物若しくはその他の工作物について、合衆國にいかなる補償をする義務も負わない。

3 前項の規定は、合衆國政府が日本國政府との特別取極に基づいて行なう建設には適用しない。

第五條

1 合衆國及び合衆國以外の國の船舶及び航空機で、合衆國によって、合衆國のために又は合衆國の管理の下に公の目的で運航されるものは、入港料又は著陸料を課されないで日本國の港又は飛行場に出入することができる。この協定による免除を與えられない貨物又は旅客がそれらの船舶又は航空機で運送されるときは、日本國の當局にその旨の通告を與えなければならず、その貨物又は旅客の日本國への入國及び同國からの出國は、日本國の法令による。

2 1に掲げる船舶及び航空機、合衆國政府所有の車両(機甲車両を含む。)並びに合衆國軍隊の構成員及び軍屬並びにそれらの家族は、合衆國軍隊が使用している施設及び區域に出入し、これらのものの間を移動し、及びこれらのものと日本國の港又は飛行場との間を移動することができる。合衆國の軍用車両の施設及び區域への出入並びにこれらのものの間の移動には、道路使用料その他の課徴金を課さない。

3 1に掲げる船舶が日本國の港に入る場合には、通常の狀態においては、日本國の當局に適當な通告をしなければならない。その船舶は、強制水先を免除される。もっとも、水先人を使用したときは、応當する料率で水先料を支払わなければならない

第六條

1 すべての非軍用及び軍用の航空交通管理及び通信の體系は、緊密に協調して発達を図るものとし、かつ、集団安全保障の利益を達成するため必要な程度に整合するものとする。この協調及び整合を図るため必要な手続及びそれに対するその後の変更は、両政府の當局間の取極によって定める。

2 合衆國軍隊が使用している施設及び區域並びにそれらに隣接し又はそれらの近傍の領水に置かれ、又は設置される燈火その他の航行補助施設及び航空保安施設は、日本國で使用されている様式に合致しなければならない。これらの施設を設置した日本國及び合衆國の當局は、その位置及び特徴を相互に通告しなければならず、かつ、それらの施設を変更し、又は新たに設置する前に予告をしなければならない。

第七條

 合衆國軍隊は、日本國政府の各省その他の機関に當該時に適用されている條件よりも不利でない條件で、日本國政府が有し、管理し、又は規制するすべての公益事業及び公共の役務を利用することができ、並びにその利用における優先権を享有するものとする。

第八條

 日本國政府は、両政府の當局間の取極に従い、次の気象業務を合衆國軍隊に提供することを約束する。

(a) 地上及び海上からの気象観測(気象観測船からの観測を含む。)

(b) 気象資料(気象庁の定期的概報及び過去の資料を含む。)

(c) 航空機の安全かつ正確な運航のため必要な気象情報を報ずる電気通信業務

(d) 地震観測の資料(地震から生ずる津波の予想される程度及びその津波の影響を受ける區域の予報を含む。)

第九條

1 この條の規定に従うことを條件として、合衆國は、合衆國軍隊の構成員及び軍屬並びにそれらの家族である者を日本國に入れることができる。

2 合衆國軍隊の構成員は、旅券及び査証に関する日本國の法令の適用から除外される。合衆國軍隊の構成員及び軍屬並びにそれらの家族は、外國人の登録及び管理に関する日本國の法令の適用から除外される。ただし、日本國の領域における永久的な居所又は住所を要求する権利を取得するものとみなされない。

3 合衆國軍隊の構成員は、日本國への入國又は日本國からの出國に當たって、次の文書を攜帯しなければならない。

  • (a) 氏名、生年月日、階級及び番號、軍の區分並びに寫真を掲げる身分証明書
  • (b) その個人又は集団が合衆國軍隊の構成員として有する地位及び命令された旅行の証明となる個別的又は集団的旅行の命令書

  合衆國軍隊の構成員は、日本國にある間の身分証明のため、前記の身分証明書を攜帯していなければならない。身分証明書は、要請があるときは日本國の當局に提示しなければならない。

4 軍屬、その家族及び合衆國軍隊の構成員の家族は、合衆國の當局が発給した適當な文書を攜帯し、日本國への入國若しくは日本國からの出國に當たって又は日本國にある間その身分を日本國の當局が確認することができるようにしなければならない。

5 1の規定に基づいて日本國に入國した者の身分に変更があってその者がそのような入國の資格を有しなくなった場合には、合衆國の當局は、日本國の當局にその旨を通告するものとし、また、その者が日本國から退去することを日本國の當局によって要求されたときは、日本國政府の負擔によらないで相當の期間內に日本國から輸送することを確保しなければならない。

6 日本國政府が合衆國軍隊の構成員若しくは軍屬の日本國の領域からの送出を要請し、又は合衆國軍隊の舊構成員若しくは舊軍屬に対し若しくは合衆國軍隊の構成員、軍屬、舊構成員若しくは舊軍屬の家族に対し退去命令を出したときは、合衆國の當局は、それらの者を自國の領域內に受け入れ、その他日本國外に送出することにつき責任を負う。この項の規定は、日本國民でない者で合衆國軍隊の構成員若しくは軍屬として又は合衆國軍隊の構成員若しくは軍屬となるために日本國に入國したもの及びそれらの者の家族に対してのみ適用する。

第十條

1 日本國は、合衆國が合衆國軍隊の構成員及び軍屬並びにそれらの家族に対して発給した運転許可証若しくは運転免許証又は軍の運転許可証を運転者試験又は手數料を課さないで、有効なものとして承認する。

2 合衆國軍隊及び軍屬用の公用車両は、それを容易に識別させる明確な番號標又は個別の記號を付けていなければならない。

3 合衆國軍隊の構成員及び軍屬並びにそれらの家族の私有車両は、日本國民に適用される條件と同一の條件で取得する日本國の登録番號標を付けていなければならない。

第十一條

1 合衆國軍隊の構成員及び軍屬並びにそれらの家族は、この協定中に規定がある場合を除くほか、日本國の稅関當局が執行する法令に服さなければならない。

2 合衆國軍隊、合衆國軍隊の公認調達機関又は第十五條に定める諸機関が合衆國軍隊の公用のため又は合衆國軍隊の構成員及び軍屬並びにそれらの家族の使用のため輸入するすべての資材、需品及び備品並びに合衆國軍隊が専用すべき資材、需品及び備品又は合衆國軍隊が使用する物品若しくは施設に最終的には合體されるべき資材、需品及び備品は、日本國に入れることを許される。この輸入には、関稅その他の課徴金を課さない。前記の資材、需品及び備品は、合衆國軍隊、合衆國軍隊の公認調達機関又は第十五條に定める諸機関が輸入するものである旨の適當な証明書(合衆國軍隊が専用すべき資材、需品及び備品又は合衆國軍隊が使用する物品若しくは施設に最終的には合體されるべき資材、需品及び備品にあっては、合衆國軍隊が前記の目的のために受領すべき旨の適當な証明書)を必要とする。

3 合衆國軍隊の構成員及び軍屬並びにそれらの家族に仕向けられ、かつ、これらの者の私用に供される財産には、関稅その他の課徴金を課する。ただし、次のものについては、関稅その他の課徴金を課さない。

  • (a) 合衆國軍隊の構成員若しくは軍屬が日本國で勤務するため最初に到著した時に輸入し、又はそれらの家族が當該合衆國軍隊の構成員若しくは軍屬と同居するため最初に到著した時に輸入するこれらの者の私用のための家具及び家庭用品並びにこれらの者が入國の際持ち込む私用のための身回品
  • (b) 合衆國軍隊の構成員又は軍屬が自己又はその家族の私用のため輸入する車両及び部品
  • (c) 合衆國軍隊の構成員及び軍屬並びにそれらの家族の私用のため合衆國において通常日常用として購入される種類の合理的な數量の衣類及び家庭用品で、合衆國軍事郵便局を通じて日本國に郵送されるもの

4 2及び3で與える免除は、物の輸入の場合のみに適用するものとし、関稅及び內國消費稅がすでに徴収された物を購入する場合に、當該物の輸入の際稅関當局が徴収したその関稅及び內國消費稅を払いもどすものと解してはならない。

5 稅関検査は、次のものの場合には行なわないものとする。

  • (a) 命令により日本國に入國し、又は日本國から出國する合衆國軍隊の部隊
  • (b) 公用の封印がある公文書及び合衆國軍事郵便路線上にある公用郵便物
  • (c) 合衆國政府の船荷証券により船積みされる軍事貨物

6 関稅の免除を受けて日本國に輸入された物は、日本國及び合衆國の當局が相互間で合意する條件に従って処分を認める場合を除くほか、関稅の免除を受けて當該物を輸入する権利を有しない者に対して日本國內で処分してはならない。

7 2及び3の規定に基づき関稅その他の課徴金の免除を受けて日本國に輸入された物は、関稅その他の課徴金の免除を受けて再輸出することができる。

8 合衆國軍隊は、日本國の當局と協力して、この條の規定に従って合衆國軍隊、合衆國軍隊の構成員及び軍屬並びにそれらの家族に與えられる特権の濫用を防止するため必要な措置を執らなければならない。

9 (a) 日本國の當局及び合衆國軍隊は、日本國政府の稅関當局が執行する法令に違反する行為を防止するため、調査の実施及び証拠の収集について相互に援助しなければならない。

  (b) 合衆國軍隊は、日本國政府の稅関當局によって又はこれに代わって行なわれる差押えを受けるべき物件がその稅関當局に引き渡されることを確保するため、可能なすべての援助を與えなければならない。

  (c) 合衆國軍隊は、合衆國軍隊の構成員若しくは軍屬又はそれらの家族が納付すべき関稅、租稅及び罰金の納付を確保するため、可能なすべての援助を與えなければならない。

  (d) 合衆國軍隊に屬する車両及び物件で、日本國政府の関稅又は財務に関する法令に違反する行為に関連して日本國政府の稅関當局が差し押えたものは、関係部隊の當局に引き渡さなければならない。

第十二條

1 合衆國は、この協定の目的のため又はこの協定で認められるところにより日本國で供給されるべき需品又は行なわれるべき工事のため、供給者又は工事を行なう者の選択に関して制限を受けないで契約することができる。そのような需品又は工事は、また、両政府の當局間で合意されるときは、日本國政府を通じて調達することができる。

2 現地で供給される合衆國軍隊の維持のため必要な資材、需品、備品及び役務でその調達が日本國の経済に不利な影響を及ぼすおそれがあるものは、日本國の権限のある當局との調整の下に、また、望ましいときは日本國の権限のある當局を通じて又はその援助を得て、調達しなければならない。

3 合衆國軍隊又は合衆國軍隊の公認調達機関が適當な証明書を附して日本國で公用のため調達する資材、需品、備品及び役務は、日本の次の租稅を免除される。

(a) 物品稅
(b) 通行稅
(c) 揮発油稅
(d) 電気ガス稅

 最終的には、合衆國軍隊が使用するため調達される資材、需品、備品及び役務は、合衆國軍隊の適當な証明書があれば、物品稅及び揮発油稅を免除される。両政府は、この條に明示していない日本の現在の又は將來の租稅で、合衆國軍隊によって調達され、又は最終的には合衆國軍隊が使用するため調達される資材、需品、備品及び役務の購入価格の重要なかつ容易に判別することができる部分をなすと認められるものに関しては、この條の目的に合致する免稅又は稅の軽減を認めるための手続について合意するものとする。

4 現地の労務に対する合衆國軍隊及び第十五條に定める諸機関の需要は、日本國の當局の援助を得て充足される。

5 所得稅、地方住民稅及び社會保障のための納付金を源泉徴収して納付するための義務並びに、相互間で別段の合意をする場合を除くほか、賃金及び諸手當に関する條件その他の雇用及び労働の條件、労働者の保護のための條件並びに労働関係に関する労働者の権利は、日本國の法令で定めるところによらなければならない。

6 合衆國軍隊又は、適當な場合には、第十五條に定める機関により労働者が解職され、かつ、雇用契約が終了していない旨の日本國の裁判所又は労働委員會の決定が最終的のものとなった場合には、次の手続が適用される。

(a) 日本國政府は、合衆國軍隊又は前記の機関に対し、裁判所又は労働委員會の決定を通報する。

(b) 合衆國軍隊又は前記の機関が當該労働者を就労させることを希望しないときは、合衆國軍隊又は前記の機関は、日本國政府から裁判所又は労働委員會の決定について通報を受けた後七日以內に、その旨を日本國政府に通告しなければならず、暫定的にその労働者を就労させないことができる。

(c) 前記の通告が行なわれたときは、日本國政府及び合衆國軍隊又は前記の機関は、事件の実際的な解決方法を見出すため遅滯なく協議しなければならない。

(d) (c)の規定に基づく協議の開始の日から三十日の期間內にそのような解決に到達しなかったときは、當該労働者は、就労することができない。このような場合には、合衆國政府は、日本國政府に対し、両政府間で合意される期間の當該労働者の雇用の費用に等しい額を支払わなければならない。

7 軍屬は、雇用の條件に関して日本國の法令に服さない。

8 合衆國軍隊の構成員及び軍屬並びにそれらの家族は、日本國における物品及び役務の個人的購入について日本國の法令に基づいて課される租稅又は類似の公課の免除をこの條の規定を理由として享有することはない。

9 3に掲げる租稅の免除を受けて日本國で購入した物は、日本國及び合衆國の當局が相互間で合意する條件に従って処分を認める場合を除くほか、當該租稅の免除を受けて當該物を購入する権利を有しない者に対して日本國內で処分してはならない。

第十三條

1 合衆國軍隊は、合衆國軍隊が日本國において保有し、使用し、又は移転する財産について租稅又は類似の公課を課されない。

2 合衆國軍隊の構成員及び軍屬並びにそれらの家族は、これらの者が合衆國軍隊に勤務し、又は合衆國軍隊若しくは第十五條に定める諸機関に雇用された結果受ける所得について、日本國政府又は日本國にあるその他の課稅権者に日本の租稅を納付する義務を負わない。この條の規定は、これらの者に対し、日本國の源泉から生ずる所得についての日本の租稅の納付を免除するものではなく、また、合衆國の所得稅のために日本國に居所を有することを申し立てる合衆國市民に対し、所得についての日本の租稅の納付を免除するものではない。これらの者が合衆國軍隊の構成員若しくは軍屬又はそれらの家族であるという理由のみによって日本國にある期間は、日本の租稅の賦課上、日本國に居所又は住所を有する期間とは認めない。

3 合衆國軍隊の構成員及び軍屬並びにそれらの家族は、これらの者が一時的に日本國にあることのみに基づいて日本國に所在する有體又は無體の動産の保有、使用、これらの者相互間の移転又は死亡による移転についての日本國における租稅を免除される。ただし、この免除は、投資若しくは事業を行なうため日本國において保有される財産又は日本國において登録された無體財産権には適用しない。この條の規定は、私有車両による道路の使用について納付すべき租稅の免除を與える義務を定めるものではない。

第十四條

1 通常合衆國に居住する人(合衆國の法律に基づいて組織された法人を含む。)及びその被用者で、合衆國軍隊のための合衆國との契約の履行のみを目的として日本國にあり、かつ、合衆國政府が2の規定に従い指定するものは、この條に規定がある場合を除くほか、日本國の法令に服さなければならない。

2 1にいう指定は、日本國政府との協議の上で行なわれるものとし、かつ、安全上の考慮、関係業者の技術上の適格要件、合衆國の標準に合致する資材若しくは役務の欠如又は合衆國の法令上の制限のため競爭入札を実施することができない場合に限り行なわれるものとする。
  前記の指定は、次のいずれかの場合には、合衆國政府が取り消すものとする。

(a) 合衆國軍隊のための合衆國との契約の履行が終わったとき。
(b) それらの者が日本國において合衆國軍隊関係の事業活動以外の事業活動に従事していることが立証されたとき。
(c) それらの者が日本國で違法とされる活動を行なっているとき。

3 前記の人及びその被用者は、その身分に関する合衆國の當局の証明があるときは、この協定による次の利益を與えられる。

(a) 第五條2に定める出入及び移動の権利
(b) 第九條の規定による日本國への入國
(c) 合衆國軍隊の構成員及び軍屬並びにそれらの家族について第十一條3に定める関稅その他の課徴金の免除
(d) 合衆國政府により認められたときは、第十五條に定める諸機関の役務を利用する権利
(e) 合衆國軍隊の構成員及び軍屬並びにそれらの家族について第十九條2に定めるもの
(f) 合衆國政府により認められたときは、第二十條に定めるところにより軍票を使用する権利
(g) 第二十一條に定める郵便施設の利用
(h) 雇用の條件に関する日本國の法令の適用からの除外

4 前記の人及びその被用者は、その身分の者であることが旅券に記載されていなければならず、その到著、出発及び日本國にある間の居所は、合衆國軍隊が日本國の當局に隨時に通告しなければならない。

5 前記の人及びその被用者が1に掲げる契約の履行のためにのみ保有し、使用し、又は移転する減価償卻資産(家屋を除く。)については、合衆國軍隊の権限のある官憲の証明があるときは、日本の租稅又は類似の公課を課されない。

6 前記の人及びその被用者は、合衆國軍隊の権限のある官憲の証明があるときは、これらの者が一時的に日本國にあることのみに基づいて日本國に所在する有體又は無體の動産の保有、使用、死亡による移転又はこの協定に基づいて租稅の免除を受ける権利を有する人若しくは機関への移転についての日本國における租稅を免除される。ただし、この免除は、投資のため若しくは他の事業を行うため日本國において保有される財産又は日本國において登録された無體財産権には適用しない。この條の規定は、私有車両による道路の使用について納付すべき租稅の免除を與える義務を定めるものではない。

7 1に掲げる人及びその被用者は、この協定に定めるいずれかの施設又は區域の建設、維持又は運営に関して合衆國政府と合衆國において結んだ契約に基づいて発生する所得について、日本國政府又は日本國にあるその他の課稅権者に所得稅又は法人稅を納付する義務を負わない。この項の規定は、これらの者に対し、日本國の源泉から生ずる所得についての所得稅又は法人稅の納付を免除するものではなく、また、合衆國の所得稅のために日本國に居所を有することを申し立てる前記の人及びその被用者に対し、所得についての日本の租稅の納付を免除するものではない。これらの者が合衆國政府との契約の履行に関してのみ日本國にある期間は、前記の租稅上の賦課上、日本國に居所又は住所を有する期間とは認めない。

8 日本國の當局は、1に掲げる人及びその被用者に対し、日本國において犯す罪で日本國の法令によって罰することができるものについて裁判権を行使する第一次の権利を有する。日本國の當局が前記の裁判権を行使しないことに決定した場合には、日本國の當局は、できる限りすみやかに合衆國の軍當局にその旨を通告しなければならない。この通告があったときは、合衆國の軍當局は、これらの者に対し、合衆國の法令により與えられた裁判権を行使する権利を有する。

第十五條

1 (a) 合衆國の軍當局が公認し、かつ、規制する海軍販売所、ピー?エックス、食堂、社交クラブ、劇場、新聞その他の歳出外資金による諸機関は、合衆國軍隊の構成員及び軍屬並びにそれらの家族の利用に供するため、合衆國軍隊が使用している施設及び區域內に設置することができる。これらの諸機関は、この協定に別段の定めがある場合を除くほか、日本の規制、免許、手數料、租稅又は類似の管理に服さない。

  (b) 合衆國の軍當局が公認し、かつ、規制する新聞が一般の公衆に販売されるときは、當該新聞は、その頒布に関する限り、日本の規制、免許、手數料、租稅又は類似の管理に服する。

2 これらの諸機関による商品及び役務の販売には、1(b)に定める場合を除くほか、日本の租稅を課さず、これらの諸機関による商品及び需品の日本國內における購入には、日本の租稅を課する。

3 これらの諸機関が販売する物品は、日本國及び合衆國の當局が相互間で合意する條件に従って処分を認める場合を除くほか、これらの諸機関から購入することを認められない者に対して日本國內で処分してはならない。

4 この條に掲げる諸機関は、日本國の當局に対し、日本國の稅法が要求するところにより資料を提供するものとする。

第十六條

 日本國において、日本國の法令を尊重し、及びこの協定の精神に反する活動、特に政治的活動を慎むことは、合衆國軍隊の構成員及び軍屬並びにそれらの家族の義務である。

第十七條

1 この條の規定に従うことを條件として、

(a) 合衆國の軍當局は、合衆國の軍法に服するすべての者に対し、合衆國の法令により與えられたすべての刑事及び懲戒の裁判権を日本國において行使する権利を有する。

(b) 日本國の當局は、合衆國軍隊の構成員及び軍屬並びにそれらの家族に対し、日本國の領域內で犯す罪で日本國の法令によって罰することができるものについて、裁判権を有する。

2 (a) 合衆國の軍當局は、合衆國の軍法に服する者に対し、合衆國の法令によって罰することができる罪で日本國の法令によっては罰することができないもの(合衆國の安全に関する罪を含む。)について、専屬的裁判権を行使する権利を有する。

  (b) 日本國の當局は、合衆國軍隊の構成員及び軍屬並びにそれらの家族に対し、日本國の法令によって罰することができる罪で合衆國の法令によっては罰することができないもの(日本國の安全に関する罪を含む。)について、専屬的裁判権を行使する権利を有する。

  (c) 2及び3の規定の適用上、國の安全に関する罪は、次のものを含む。

  (ⅰ) 當該國に対する反逆

  (ⅱ) 妨害行為(サボタージュ)、謀報行為又は當該國の公務上若しくは國防上の秘密に関する法令の違反

3 裁判権を行使する権利が競合する場合には、次の規定が適用される。

(a) 合衆國の軍當局は、次の罪については、合衆國軍隊の構成員又は軍屬に対して裁判権を行使する第一次の権利を有する。

(ⅰ) もっばら合衆國の財産若しくは安全のみに対する罪又はもっばら合衆國軍隊の他の構成員若しくは軍屬若しくは合衆國軍隊の構成員若しくは軍屬の家族の身體若しくは財産のみに対する罪

(ⅱ) 公務執行中の作為又は不作為から生ずる罪

(b) その他の罪については、日本國の當局が、裁判権を行使する第一次の権利を有する。

(c) 第一次の権利を有する國は、裁判権を行使しないことに決定したときは、できる限りすみやかに他方の國の當局にその旨を通告しなければならない。第一次の権利を有する國の當局は、他方の國がその権利の放棄を特に重要であると認めた場合において、その他方の國の當局から要請があったときは、その要請に好意的考慮を払わなければならない。

4 前諸項の規定は、合衆國の軍當局が日本國民又は日本國に通常居住する者に対し裁判権を行使する権利を有することを意味するものではない。ただし、それらの者が合衆國軍隊の構成員であるときは、この限りでない。

5 (a) 日本國の當局及び合衆國の軍當局は、日本國の領域內における合衆國軍隊の構成員若しくは軍屬又はそれらの家族の逮捕及び前諸項の規定に従って裁判権を行使すべき當局へのそれらの者の引渡しについて、相互に援助しなければならない。

  (b) 日本國の當局は、合衆國の軍當局に対し、合衆國軍隊の構成員若しくは軍屬又はそれらの家族の逮捕についてすみやかに通告しなければならない。

  (c) 日本國が裁判権を行使すべき合衆國軍隊の構成員又は軍屬たる被疑者の拘禁は、その者の身柄が合衆國の手中にあるときは、日本國により公訴が提起されるまでの間、合衆國が引き続き行なうものとする。

6 (a) 日本國の當局及び合衆國の軍當局は、犯罪についてのすべての必要な捜査の実施並びに証拠の収集及び提出(犯罪に関連する物件の押収及び相當な場合にはその引渡しを含む。)について、相互に援助しなければならない。ただし、それらの物件の引渡しは、引渡しを行なう當局が定める期間內に還付されることを條件として行なうことができる。

  (b) 日本國の當局及び合衆國の軍當局は、裁判権を行使する権利が競合するすべての事件の処理について、相互に通告しなければならない。

7 (a) 死刑の判決は、日本國の法制が同様の場合に死刑を規定していない場合には、合衆國の軍當局が日本國內で執行してはならない。

  (b) 日本國の當局は、合衆國の軍當局がこの條の規定に基づいて日本國の領域內で言い渡した自由刑の執行について合衆國の軍當局から援助の要請があっときは、その要請に好意的考慮を払わなければならない。

8 被告人がこの條の規定に従って日本國の當局又は合衆國の軍當局のいずれかにより裁判を受けた場合において、無罪の判決を受けたとき、又は有罪の判決を受けて服役しているとき、服役したとき、若しくは赦免されたときは、他方の國の當局は、日本國の領域內において同一の犯罪について重ねてその者を裁判してはならない。ただし、この項の規定は、合衆國の軍當局が合衆國軍隊の構成員を、その者が日本國の當局により裁判を受けた犯罪を構成した作為又は不作為から生ずる軍紀違反について、裁判することを妨げるものではない。

9 合衆國軍隊の構成員若しくは軍屬又はそれらの家族は、日本國の裁判権に基づいて公訴を提起された場合には、いつでも、次の権利を有する。

(a) 遅滯なく迅速な裁判を受ける権利

(b) 公判前に自己に対する具體的な訴因の通知を受ける権利

(c) 自己に不利な証人と対決する権利

(d) 証人が日本國の管轄內にあるときは、自己のために強制的手続により証人を求める権利

(e) 自己の弁護のため自己の選択する弁護人をもつ権利又は日本國でその當時通常行なわれている條件に基づき費用を要しないで若しくは費用の補助を受けて弁護人をもつ権利

(f) 必要と認めたときは、有能な通訳を用いる権利

(g) 合衆國の政府の代表者と連絡する権利及び自己の裁判にその代表者を立ち會わせる権利

10 (a) 合衆國軍隊の正規に編成された部隊又は編成隊は、第二條の規定に基づき使用する施設及び區域において警察権を行なう権利を有する。合衆國軍隊の軍事警察は、それらの施設及び區域において、秩序及び安全の維持を確保するためすべての適當な措置を執ることができる。

  (b) 前記の施設及び區域の外部においては、前記の軍事警察は、必ず日本國の當局との取極に従うことを條件とし、かつ、日本國の當局と連絡して使用されるものとし、その使用は、合衆國軍隊の構成員の間の規律及び秩序の維持のため必要な範囲內に限るものとする。

11 相互協力及び安全保障條約第五條の規定が適用される敵対行為が生じた場合には、日本國政府及び合衆國政府のいずれの一方も、他方の政府に対し六十日前に予告を與えることによって、この條のいずれの規定の適用も停止させる権利を有する。この権利が行使されたときは、日本國政府及び合衆國政府は、適用を停止される規定に代わるべき適當な規定を合意する目的をもって直ちに協議しなければならない。

12 この條の規定はこの協定の効力発生前に犯したいかなる罪にも適用しない。それらの事件に対しては、日本國とアメリカ合衆國と間の安全保障條約第三條に基く行政協定第十七條の當該時に存在した規定を適用する。

第十八條

1 各當事國は、自國が所有し、かつ、自國の陸上、海上又は航空の防衛隊が使用する財産に対する損害については、次の場合には、他方の當事國に対するすべての請求権を放棄する。

(a) 損害が他方の當事國の防衛隊の構成員又は被用者によりその者の公務の執行中に生じた場合

(b) 損害が他方の當事國が所有する車両、船舶又は航空機でその防衛隊が使用するものの使用から生じた場合。ただし、損害を與えた車両、船舶若しくは航空機が公用のため使用されていたとき、又は損害が公用のため使用されている財産に生じたときに限る。

 海難救助についての一方の當事國の他方の當事國に対する請求権は、放棄する。ただし、救助された船舶又は積荷が、一方の當事國が所有し、かつ、その防衛隊が公用のため使用しているものであった場合に限る。

2 (a) いずれか一方の當事國が所有するその他の財産で日本國內にあるものに対して1に掲げるようにして損害が生じた場合には、両政府が別段の合意をしない限り、(b)の規定に従って選定される一人の仲裁人が、他方の當事國の責任の問題を決定し、及び損害の額を査定する。仲裁人は、また、同一の事件から生ずる反対の請求を裁定する。

  (b) (a)に掲げる仲裁人は、両政府間の合意によって、司法関係の上級の地位を現に有し、又は有したことがある日本國民の中から選定する。

  (c) 仲裁人が行なった裁定は、両當事國に対して拘束力を有する最終的のものとする。

  (d) 仲裁人が裁定した賠償の額は、5(e)(ⅰ)、(ⅱ)及び(ⅲ)の規定に従って分擔される。

  (e) 仲裁人の報酬は、両政府間の合意によって定め、両政府が、仲裁人の任務の逐行に伴う必要な費用とともに、均等の割合で支払う。

  (f) もっとも、各當事國は、いかなる場合においても千四百合衆國ドル又は五十萬四千円までの額については、その請求権を放棄する。これらの通貨の間の為替相場に著しい変動があった場合には、両政府は、前記の額の適當な調整について合意するものとする。

3 1及び2の規定の適用上、船舶について「當事國が所有する」というときは、その當事國が裸用船した船舶、裸の條件で徴発した船舶又は拿捕した船舶を含む。ただし、損失の危険又は責任が當該當事國以外の者によって負擔される範囲については、この限りでない。

4 各當事國は、自國の防衛隊の構成員がその公務の執行に従事している間に被った負傷又は死亡については、他方の當事國に対するすべての請求権を放棄する。

5 公務執行中の合衆國軍隊の構成員若しくは被用者の作為若しくは不作為又は合衆國軍隊が法律上責任を有するその他の作為、不作為若しくは事故で、日本國において日本國政府以外の第三者に損害を與えたものから生ずる請求権(契約による請求権及び6又は7の規定の適用を受ける請求権を除く。)は、日本國が次の規定に従って処理する。

(a) 請求は、日本國の自衛隊の行動から生ずる請求権に関する日本國の法令に従って、提起し、審査し、かつ、解決し、又は裁判する。

(b) 日本國は、前記のいかなる請求をも解決することができるものとし、合意され、又は裁判により決定された額の支払を日本円で行なう。

(c) 前記の支払(合意による解決に従ってされたものであると日本國の権限のある裁判所による栽判に従ってされたものであるとを問わない。)又は支払を認めない旨の日本國の権限のある裁判所による確定した裁判は、両當事國に対し拘束力を有する最終的のものとする。

(d) 日本國が支払をした各請求は、その明細並びに(e)(ⅰ)及び(ⅱ)の規定による分擔案とともに、合衆國の當局に通知しなければならない。二箇月以內に回答がなかったときは、その分擔案は、受諾されたものとみなす。

(e) (a)から(d)まで及び2の規定に従い請求を満たすため要した費用は、両當事國が次のとおり分擔する。

 (ⅰ) 合衆國のみが責任を有する場合には、裁定され、合意され、又は裁判により決定された額は、その二十五パーセントを日本國が、その七十五パーセントを合衆國が分擔する。

 (ⅱ) 日本國及び合衆國が損害について責任を有する場合には、裁定され、合意され、又は裁判により決定された額は、両當事國が均等に分擔する。損害が日本國又は合衆國の防衛隊によって生じ、かつ、その損害をこれらの防衛隊のいずれか一方又は雙方の責任として特定することができない場合には、裁定され、合意され、又は裁判により決定された額は、日本國及び合衆國が均等に分擔する。

 (ⅲ) 比率に基づく分擔案が受諾された各事件について日本國が六箇月の期間內に支払った額の明細書は、支払要請書とともに、六箇月ごとに合衆國の當局に送付する。その支払は、できる限りすみやかに日本円で行なわなければならない。

(f) 合衆國軍隊の構成員又は被用者(日本の國籍のみを有する被用者を除く。)は、その公務の執行から生ずる事項については、日本國においてその者に対して與えられた判決の執行手続に服さない。

(g) この項の規定は、(e)の規定が2に定める請求権に適用される範囲を除くほか、船舶の航行若しくは運用又は貨物の船積み、運送若しくは陸揚げから生じ、又はそれらに関連して生ずる請求権には適用しない。ただし、4の規定の適用を受けない死亡又は負傷に対する請求権については、この限りでない。

6 日本國內における不法の作為又は不作為で公務執行中に行なわれたものでないものから生ずる合衆國軍隊の構成員又は被用者(日本國民である被用者又は通常日本國に居住する被用者を除く。)に対する請求権は、次の方法で処理する。

(a) 日本國の當局は、當該事件に関するすべての事情(損害を受けた者の行動を含む。)を考慮して、公平かつ公正に請求を審査し、及び請求人に対する補償金を査定し、並びにその事件に関する報告書を作成する。

(b) その報告書は、合衆國の當局に交付するものとし、合衆國の當局は、遅滯なく、慰謝料の支払を申し出るかどうかを決定し、かつ、申し出る場合には、その額を決定する。

(c) 慰謝料の支払の申出があった場合において、請求人がその請求を完全に満たすものとしてこれを受諾したときは、合衆國の當局は、みずから支払をしなければならず、かつ、その決定及び支払った額を日本國の當局に通知する。

(d) この項の規定は、支払が請求を完全に満たすものとして行なわれたものでない限り、合衆國軍隊の構成員又は被用者に対する訴えを受理する日本國の裁判所の裁判権に影響を及ぼすものではない。

7 合衆國軍隊の車両の許容されていない使用から生ずる請求権は、合衆國軍隊が法律上責任を有する場合を除くほか、6の規定に従って処理する。

8 合衆國軍隊の構成員又は被用者の不法の作為又は不作為が公務執行中にされたものであるかどうか、また、合衆國軍隊の車両の使用が許容されていたものであるかどうかについて紛爭が生じたときは、その問題は、2(b)の規定に従って選任された仲裁人に付託するものとし、この點に関する仲裁人の裁定は、最終的のものとする。

9 (a) 合衆國は、日本國の裁判所の民事裁判権に関しては、5(f)に定める範囲を除くほか、合衆國軍隊の構成員又は被用者に対する日本國の裁判所の裁判権からの免除を請求してはならない。

  (b) 合衆國軍隊が使用している施設及び區域內に日本國の法律に基づき強制執行を行なうべき私有の動産(合衆國軍隊が使用している動産を除く。)があるときは、合衆國の當局は、日本國の裁判所の要請に基づき、その財産を差し押えて日本國の當局に引き渡さなければならない。

  (c) 日本國及び合衆國の當局は、この條の規定に基づく請求の公平な審理及び処理のための証拠の入手について協力するものとする。

10 合衆國軍隊による又は合衆國軍隊のための資材、需品、備品、役務及び労務の調達に関する契約から生ずる紛爭でその契約の當事者によって解決されないものは、調停のため合同委員會に付託することができる。ただし、この項の規定は、契約の當事者が有することのある民事の訴えを提起する権利を害するものではない。

11 この條にいう「防衛隊」とは、日本國についてはその自衛隊をいい、合衆國についてはその軍隊をいうものと了解される。

12 2及び5の規定は、非戦闘行為に伴って生じた請求権についてのみ適用する。

13 この條の規定は、この協定の効力発生前に生じた請求権には適用しない。それらの請求権は、日本國とアメリカ合衆國との間の安全保障條約第三條に基づく行政協定第十八條の規定によって処理する。

第十九條

1 合衆國軍隊の構成員及び軍屬並びにそれらの家族は、日本國政府の外國為替管理に服さなければならない。

2 1の規定は、合衆國ドル若しくはドル証券で、合衆國の公金であるもの、合衆國軍隊の構成員及び軍屬がこの協定に関連して勤務し、若しくは雇用された結果取得したもの又はこれらの者及びそれらの家族が日本國外の源泉から取得したものの日本國內又は日本國外への移転を妨げるものと解してはならない。

3 合衆國の當局は、2に定める特権の濫用又は日本國の外國為替管理の回避を防止するため適當な措置を執らなければならない。

第二十條

1 (a) ドルをもって表示される合衆國軍票は、合衆國によって認可された者が、合衆國軍隊の使用している施設及び區域內における相互間の取引のため使用することができる。合衆國政府は、合衆國の規則が許す場合を除くほか、認可された者が軍票を用いる取引に従事することを禁止するよう適當な措置を執るものとする。日本國政府は、認可されない者が軍票を用いる取引に従事することを禁止するため必要な措置を執るものとし、また、合衆國の當局の援助を得て、軍票の偽造又は偽造軍票の使用に関與する者で日本國の當局の裁判権に服すべきものを逮捕し、及び処罰するものとする。

  (b) 合衆國の當局が、認可されない者に対し軍票を行使する合衆國軍隊の構成員及び軍屬並びにそれらの家族を逮捕し、及び処罰すること並びに、日本國における軍票の許されない使用の結果として、合衆國又はその機関が、その認可されない者又は日本國政府若しくはその機関に対していかなる義務をも負うことはないことが合意される。

2 軍票の管理を行なうため、合衆國は、その監督の下に、合衆國が軍票の使用を認可した者の用に供する施設を維持し、及び運営する一定のアメリカの金融機関を指定することができる。軍用銀行施設を維持することを認められた金融機関は、その施設を當該機関の日本國における商業金融業務から場所的に分離して設置し、及び維持するものとし、これに、この施設を維持し、かつ、運営することを唯一の任務とする職員を置く。この施設は、合衆國通貨による銀行勘定を維持し、かつ、この勘定に関するすべての金融取引(第十九條2に定める範囲內における資金の受領及び送付を含む。)を行なうことを許される。

第二十一條

 合衆國は、合衆國軍隊の構成員及び軍屬並びにそれらの家族が利用する合衆國軍事郵便局を、日本國にある合衆國軍事郵便局間及びこれらの軍事郵便局と他の合衆國郵便局との間における郵便物の送達のため、合衆國軍隊が使用している施設及び區域內に設置し、及び運営することができる。

第二十二條

 合衆國は、日本國に在留する適格の合衆國市民で合衆國軍隊の予備役団體への編入の申請を行なうものを同団體に編入し、及び訓練することができる。

第二十三條

 日本國及び合衆國は、合衆國軍隊、合衆國軍隊の構成員及び軍屬並びにそれらの家族並びにこれらのものの財産の安全を確保するため隨時に必要となるべき措置を執ることについて協力するものとする。日本國政府は、その領域において合衆國の設備、備品、財産、記録及び公務上の情報の十分な安全及び保護を確保するため、並びに適用されるべき日本國の法令に基づいて犯人を罰するため、必要な立法を求め、及び必要なその他の措置を執ることに同意する。

第二十四條

1 日本國に合衆國軍隊を維持することに伴うすべての経費は、2に規定するところにより日本國が負擔すべきものを除くほか、この協定の存続期間中日本國に負擔をかけないで合衆國が負擔することが合意される。

2 日本國は、第二條及び第三條に定めるすべての施設及び區域並びに路線権(飛行場及び港における施設及び區域のように共同に使用される施設及び區域を含む。)をこの協定の存続期間中合衆國に負擔をかけないで提供し、かつ、相當の場合には、施設及び區域並びに路線権の所有者及び提供者に補償を行なうことが合意される。

3 この協定に基づいて生ずる資金上の取引に適用すべき経理のため、日本國政府と合衆國政府との間に取極を行なうことが合意される。

第二十五條

1 この協定の実施に関して相互間の協議を必要とするすべての事項に関する日本國政府と合衆國政府との間の協議機関として、合同委員會を設置する。合同委員會は、特に、合衆國が相互協力及び安全保障條約の目的の遂行に當たって使用するため必要とされる日本國內の施設及び區域を決定する協議機関として、任務を行なう。

2 合同委員會は、日本國政府の代表者一人及び合衆國政府の代表者一人で組織し、各代表者は、一人又は二人以上の代理及び職員団を有するものとする。合同委員會は、その手続規則を定め、並びに必要な補助機関及び事務機関を設ける。合同委員會は、日本國政府又は合衆國政府のいずれか一方の代表者の要請があるときはいつでも直ちに會合することができるように組織する。

3 合同委員會は、問題を解決することができないときは、適當な経路を通じて、その問題をそれぞれの政府にさらに考慮されるように移すものとする。

第二十六條

1 この協定は、日本國及び合衆國によりそれぞれの國內法上の手続に従って承認されなければならず、その承認を通知する公文が交換されるものとする。

2 この協定は、1に定める手続が完了した後、相互協力及び安全保障條約の効力発生の日〔昭和三五年六月二三日〕に効力を生じ、千九百五十二年二月二十八日に東京で署名された日本國とアメリカ合衆國との間の安全保障條約第三條に基く行政協定(改正を含む。)は、その時に終了する。

3 この協定の各當事國の政府は、この協定の規定中その実施のため予算上及び立法上の措置を必要とするものについて、必要なその措置を立法機関に求めることを約束する。

第二十七條

 いずれの政府も、この協定のいずれの條についてもその改正をいつでも要請することができる。その場合には、両政府は、適當な経路を通じて交渉するものとする。

第二十八條

 この協定及びその合意された改正は、相互協力及び安全保障條約が有効である間、有効とする。ただし、それ以前に両政府間の合意によって終了させたときは、この限りでない。

久久免费视频,女人高潮抽搐潮喷视频,女性高爱潮有声视频A片